TRAVIS
( MASH SF/FREIGHT BAGGAGE)
07/5/11 up
> FREIGHT BAGGAGE 
http://www.freightbaggage.com/

 MASHのフィルムではSFの街をまるで突貫小僧のように攻めまくるライディングが印象的だったトラビス。
メッセンジャーバッグレーベル"FREIGHT BAGGAGE"を手がける現在も現役のメッセンジャーであり、忙しい日々の合間をぬって「ずっと行ってみたかった」と言う日本に彼女のミッシェルを連れ立ってやってきた。ゴールデンウィークの喧騒をよそに、都内某所でひっそりと行われた真夜中の闇ミートアップでトラビスをキャッチ、缶ビール片手に酔いどれインタビューを敢行・・・・・
 
 
トラビス、少し話を聞いてもいい?
「(ビール片手に)SURE!! でももう軽く酔っぱらってるけど大丈夫かな??」

全然大丈夫だと思うよ(笑)。
ビール大好きって感じだね

「いつも呑んでるよ(笑)。バイクとビールって切っても切れない関係だからね。日本のビールも最高に美味しいよ」

それは良かった。ところで日本は初めてだよね?
「うん、初めて。でももう何年も前から日本にずっと来たいと思ってたんだ。メッセンジャーをしてると外国の連中と知り合うことも多くて、日本のバイクシーンも盛り上がっててすごく楽しいって聞いてたからね。だから彼女のミッシェルといつか絶対に日本に行こうって話し合って、そのためにいままで少しずつお金を貯めてたんだ。それでちょうど安いフライトチケットが見つかったから休みを取ってやっと日本に来ることができたんだよ」

初めての日本の印象はどう?
「(公園に集まった数十人の自転車乗りたちを指さして)この場所でいま起きてることがすべてだよ。バイクっていう共通のアイデンティティーの下にこれだけの人が集まって、それぞれが楽しい時間を過ごしてる。日本には最高のバイクシーンがあると思うし、そのことに僕はすごく刺激を受けてる。実際僕らの住むサンフランシスコではあまりこういうミートアップってないんだ。みんなそれぞれ自分たちの小さなコミュニティーの中で好き勝手やってるって感じだからね。大勢で集まったり走ったりってことがないからすごく新鮮だよ」





今日はグループライドに出かけたって聞いたけど
「そうなんだ、東京のベイエリア(お台場)までね。30人くらいで走ったんだけど、すごく興奮したよ。大勢でストリートを占拠する、そういう感覚がたまらないんだ。僕はずっとメッセンジャーをやってきて、正直最近はレースとかにあまり興味がなくなってきてて。まあもう31歳だから誰が一番速いかは若い連中に決めてもらえばいい(笑)。それよりも大勢の仲間で集まってハングアウトしたり、グループライドに出かけたりっていうことが好きなんだ。特に日本っていうずっと自分が行ってみたかった国でそんな体験ができて本当に幸せだよ」

そういえばミッシェルと一緒に京都にも行ったんでしょ?
「うん。京都は素晴らしかったよ。向こうでKYOTO LOCOのタクヤからバイクを借りてクルーズしたんだけど、東京とは違って日本の伝統と歴史を感じさせる町並みには僕もミッシェルも驚いた。お寺や神社にも行ったけど、すごく不思議な空気が流れてる場所だったね。今度は是非もっとゆっくり行ってみたいよ」

東京も結構走り込んだと思うけど、実際にメッセンジャーの視点から東京の街を走ってみてどう思った?
「最高に刺激的な街だと思う。巨大なビル街かと思いきや通りを外れれば小さな商店街があったり多様性に溢れてて、しかもアメリカと違って道が入り組んでるから、かなり街を知らないと走れないっていう奥深さもある。そのうえアップダウンも多い。ルート取りにしてもたぶん色んなパターンがあるんじゃないかな。標識が読めるなら東京はもしかしたらメッセンジャーにとって世界で一番刺激的な街かもしれない。それくらいこの街は走ってて面白いよ」
 
〜ここで2006年のCMWC覇者シノ君登場。5月末にSFで開かれるNACCCの話に〜

トラビス
「ヘイ、シノ! NACCC出るんでしょ。みんな期待してるよ!」
シノ
「(笑いながら)頑張るよ。SFでは誰が一番速いって言われてるの?」
トラビス
「うーんそうだな・・・・、ブルーって奴だ。とにかくレースでは奴をマークした方がいい」
シノ
「ブルーね。分かった」
トラビス
「シノならたぶん勝てる。応援するから頑張ってよ。空港には迎えに行くからフライトスケジュールとか分かったら教えて」
シノ
「本当?ありがとう!助かるよ」

〜2人がっつり握手してインタビュー再開〜

トラビスのバックグラウンドを少し聞かせて。どれくらいメッセンジャーをやってるの? メッセンジャーの魅力ってなんだろう?
「98年からだからもうすぐ10年だね。SF以外にもGeorgiaとPhillyでもメッセンジャーをやってた。何が魅力ってすべてだよ。とにかく早く荷物を届けるっていう仕事だから、交通の波を高速で駆け抜けるスリル、スピードから得るアドレナリンラッシュが毎日味わえる。僕みたいな人間にとっては天職だね。それにメッセンジャーは連帯感っていうか横のつながりが強いからどこに行ってもメッセンジャー同士ならすぐに仲間になれることも魅力の一つだと思う。日本でもみんなとても暖かく僕たちを迎えてくれるしね。いつまでもこの仕事をやってたいと思うよ」

メッセンジャーを始めたころからずっとトラックバイクに乗ってるの?
「そう、ずっとだね。トラックバイクはメンテも楽だし最高のバイクだよ。すごくレスポンシブだし、自分ですべてをコントロールすることで生まれるバイクとの一体感、バイクを完全にコントロールしながら交通のフロウをかいくぐる感覚は独特、病みつきになるよ」

それとFREIGHT BAGGAGEのことも聞かせて。バッグはいつから作ってるの?
「メッセンジャーを始めた時からだよ。元々モノを作ったりするのが好きだから初めは自分用に作ったり、仲間にあげたりしながらね。当時はもっとロウ(生)な感じだったな。本当にメッセンジャリングをする上で最低限の機能だけのね。で結構評判が良くて2005年にFREIGHTのパッチを付けるようになって今に至るって感じかな。これまではずっとひとりでやってきたんだけど、忙しくなってきていまは3人でやってる。でも生地を切ったりミシンを踏んだりっていうのは今でも自分でやってるよ」

ミッシェルとの大切な時間を割いてくれて本当にありがとう。
MASHのハードライディングからは想像も付かないくらい柔らかい人柄でびっくりしたよ。

「本当?(笑)。こちらこそありがとう」

最後に何かある?
「今回のトリップでお世話になったGOGO、RK、京都のタクヤにシャウトアウトを送りたい。ありがとう!!」

それじゃ残りの旅を楽しんでね。また会えるのを楽しみにしてるよ
「オーケー。日本は本当に素晴らしい国だよ。また絶対戻って来るから!!」


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